生活クラブの消費材「自主基準」を改定 「2030行動宣言」を踏まえ大きくブラッシュアップ
生活クラブ連合会は、この6月に「自主基準」を大きく改定します。「生活クラブ2030行動宣言」の理念を反映し、持続可能な生産と消費を実現する社会の実現をめざします。
生活クラブの自主基準とは
生活クラブの「自主基準」は1997年に制定されました。生活クラブが大切にしてきた価値観と目標を、消費材の生産過程に具体的に反映させるための独自の基準です。
食品や生活用品などの分野ごとに、「必ず守るべきこと(必須項目)」と「目指したいこと(推奨目標)」を定め、生産者が毎年セルフチェック実施し、組合員がその達成度を確認する「消費材Step Up点検」と一体のしくみです。
このしくみは、単なる品質管理や点検作業ではありません。消費材を利用する組合員自身が生産現場に立ち入り、生産者はそれを受け入れることで「消費材への理解を深める→組合員自身が利用拡大を呼びかける→持続的な生産を生産者に保証する」という、組合員と生産者が共に力を合わせて生活クラブの消費材を「育てる」活動です。
1998年度から2024年度までに行われた「消費材Step Up点検」は、累計で1,342回にのぼります。
食品や生活用品などの分野ごとに、「必ず守るべきこと(必須項目)」と「目指したいこと(推奨目標)」を定め、生産者が毎年セルフチェック実施し、組合員がその達成度を確認する「消費材Step Up点検」と一体のしくみです。
このしくみは、単なる品質管理や点検作業ではありません。消費材を利用する組合員自身が生産現場に立ち入り、生産者はそれを受け入れることで「消費材への理解を深める→組合員自身が利用拡大を呼びかける→持続的な生産を生産者に保証する」という、組合員と生産者が共に力を合わせて生活クラブの消費材を「育てる」活動です。
1998年度から2024年度までに行われた「消費材Step Up点検」は、累計で1,342回にのぼります。
社会・環境の変動に合わせた改定が求められていました
旧「自主基準」制定からの約30年間で、社会や法律、私たちの暮らしは大きく変化しました。かつては自主基準でしか守られていなかったことが、今では法律で義務化されているものもあります。一方で、気候変動などに起因する生産環境の大変動、社会の変化による地域社会の生産基盤の変化など、新たな課題も増えています。
また、国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」や「パリ協定」などの国際的な枠組みを受けて、生活クラブでも「2030行動宣言」を策定。これにより、従来の自主基準も、より未来志向で社会的課題に対応できる内容へと進化させる必要がありました。
そこで2023年7月から、組合員リーダー、生産者有志、生活クラブ連合会事務局が一体となり、「自主基準見直し合同部会」を立ち上げました。分野ごとに見直しを進めるのではなく、あくまで「2030行動宣言」に沿った分野横断的な議論が必要なため、前例のなかった合同部会形式で進めました。生産者とのていねいな協議も踏まえ、全12回の会議を経て改定案を取りまとめました。
また、国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」や「パリ協定」などの国際的な枠組みを受けて、生活クラブでも「2030行動宣言」を策定。これにより、従来の自主基準も、より未来志向で社会的課題に対応できる内容へと進化させる必要がありました。
そこで2023年7月から、組合員リーダー、生産者有志、生活クラブ連合会事務局が一体となり、「自主基準見直し合同部会」を立ち上げました。分野ごとに見直しを進めるのではなく、あくまで「2030行動宣言」に沿った分野横断的な議論が必要なため、前例のなかった合同部会形式で進めました。生産者とのていねいな協議も踏まえ、全12回の会議を経て改定案を取りまとめました。
改定のポイント:SDGsにつながる目標を新設・農業にはJGAPを導入
今回の改定では主に以下の点で変更を加えました。
- SDGsにつながる目標を新設
SDGs達成貢献のための「生活クラブ2030行動宣言」を踏まえ、分野共通の目標(人権尊重、ジェンダー平等、他団体と連携した環境保全など)をかかげました。 - 農業分野にJGAP*を導入
国際水準にあるJGAP(農業生産工程管理)を導入することで、これまでの食品安全や環境保全だけでなく、生産者の労働安全や人権尊重、持続可能な農場管理なども目指すことができるようになりました。 - 法制化された項目の整理
旧「自主基準」に定められた内容で、すでに法制化されたもの(例:HACCPなど)は、自主基準から削除しました。 - 評価方法の見直し
これまでの「〇か×」の二者択一方式から、「どの程度できているか」がわかる複数選択式に変更しました。生産者のレベルアップの見える化につながり、点検の質も向上します。 - わかりやすく伝わる言葉で
専門的な用語をできるだけ減らし、誰もが理解しやすい表現となるように留意しました。
*GAP(Good Agricultural Practices)とは:「農業生産工程管理」などと訳され、持続可能な農業のために生産者が取り組むことをまとめた基準です。JGAPは「GAP」のひとつであり、日本で作成された基準です。
これからの「消費材Step Up点検」
「消費材Step Up点検」は今後も継続しますが、点検の視点が大きく変わります。これまでは「できているかどうか」のチェックが中心でしたが、これからは「どのようにできているのか」「どこまで進んでいるのか」といった段階的な評価が主軸になります。これにより、生産者の取り組みの深さや質がより明確に伝わるようになります。
今回の自主基準の改定は、生活クラブが掲げる「2030行動宣言」の具体化の一歩です。組合員と生産者が力をあわせ「消費を通じて社会を変える」取り組みを、これからも進めていきましょう。
★関連する生活クラブ連合会サイトのページもごらんください。
「持続可能な生産と消費」推進制度(消費材Step Up点検)
生活クラブの「自主基準」
生活クラブ2030行動宣言
今回の自主基準の改定は、生活クラブが掲げる「2030行動宣言」の具体化の一歩です。組合員と生産者が力をあわせ「消費を通じて社会を変える」取り組みを、これからも進めていきましょう。
★関連する生活クラブ連合会サイトのページもごらんください。
「持続可能な生産と消費」推進制度(消費材Step Up点検)
生活クラブの「自主基準」
生活クラブ2030行動宣言
【2025年7月1日掲載】